【宅建士の業務について】
宅建士は不動産取引のエキスパートです。
不動産物件の案内から契約・引き渡しまでの業務を一貫して行うのが一般的です。
不動産の賃貸契約や売買契約を行う際には、「重要事項説明」という事前業務があり、宅建士だけがそれを行うことができます。いわゆる独占業務です。
物件案内や契約業務は資格を持たない営業員でもできますが、重要事項説明だけは宅建資格を持った者のみが行うように宅建業法で定められています。
【重要事項説明ってなに?】
重要事項説明とは、その物件(住宅など)に関する細かい部分を契約者(買い主など)に説明することです。
不動産に関する知識や経験の少ない売主・買主が、知らぬうちに不当なまたは不利な契約を結ばされることがないよう、両者の立場を守るために必要な業務です。
例えばその建物は違法建築に当たらないか、隣地との境界はきちんと区別できているか、といった建築基準や土地の権利に関すること。
また建物の設備状況はどのようになっているのか。ドアや窓に破損はないか、上下水道やガスの状況はどうか、戸建であればシロアリ対策はどうか、などといったことを説明します。
このような、契約者にとって最も重要な内容を、なんの知識も持たない営業員にさせるわけにはいきません。間違いがあれば訴訟問題に発展しかねませんからね。
きちんと民法や宅建業法などの知識を有した者が説明することで、契約者も安心して取引をすることができるのです。
実務で必要な知識ですので、宅建試験にも必ず登場してきます。
【不動産売買の一連の流れ】
売買業務は不動産業界でもエースと言われる分野です。戸建・マンション・土地などの売買を仲介したり、建売住宅を販売したりします。
物件を案内するために現地までお客様をお連れしたり、住宅ローンなど購入資金に関するご提案をする。
購入が決まれば契約書や重要事項説明書を作成して契約締結。そして金銭のやりとりや物件の引き渡しまで、売主と買主が行うすべての流れをお手伝いするのが主な業務です。
【不動産賃貸】
不動産と言えば、賃貸の仲介業務をイメージすることが多いのではないでしょうか。
賃貸マンションなどをご案内して、お客様に気に入っていただければそのまま申し込みすることも少なくありません。
その際も、マンションの管理規約や敷金・家賃などといった重要事項の説明をするのが宅建士です。
宅建資格を持っていなければ、いくら成約を決めたとしても重要事項説明を資格持ちの人にお願いしなければなりません。それではいつまでたったも一人前とは認めてもらえないのです。
この他にも不動産管理業などがありますが、これはマンション管理士や管理業務主任者といった資格が必要な場合もあります。
けれど宅建士の主な仕事は、上記のような売買仲介や賃貸物件の紹介といった営業が多くなるでしょう。
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