宅建試験対策! 法令上の制限
建築確認については、宅建試験だけでなく不動産売買の実務でも必要な知識です。
仲介などで物件の取引が成立すると、営業マンは物件調査をしてその建物が建築基準法に違反していないかをチェックする必要があります。
そのときに当該建物が建築確認済証や検査済証の交付を受けているかどうか、などを確認して、重要事項説明の際に買主に伝えます。
不動産取引業の実務で確実に役立つ知識ですので、しっかりと内容を理解していきましょう。
【建築確認とは】
都市計画区域内や準都市計画区域内の建物が街づくりの計画に適合していて、安全であることをチェック(確認)するために行われるのが「建築確認」です。
建築確認は「建築主事」または「指定確認検査機関」が行います。
”都市計画区域、準都市計画区域もしくは準景観地区で建物を新築・増改築・移転する場合は、必ず建築確認を受ける”必要があります。
建築物の規模は関係ありません。
ここは大事なので、しっかり覚えておきましょう。
もくじ
【建築確認が必要な特殊建築物】
都市計画区域以外の山の中にぽつんと建っているような一軒家であれば、建築確認なしに建てることも可能ですが、防災上の配慮が必要な建物(特殊建築物)や、大規模建築物には建築確認が必要です。
・特殊建築物(防災上の配慮が必要な建物)
特殊建築物で延べ床面積100㎡を超えるものは、日本全国どこに建てる場合でも建築確認が必要です。
例:共同住宅、ホテル、病院、診療所、劇場、映画館、学校、百貨店、コンビニ等の不特定多数の人が集まる建築物
・大規模建築物
木造建築物
→3階建て以上、延べ床面積500㎡超、高さ13m超、軒高9m超のいずれかに1つでも該当すれば大規模建築物とみなされるため、建築確認が必要です。
木造以外
→2階建て以上、延べ床面積200㎡超のいずれかに該当すれば、建築確認が必要です。
・一般建築物(上記以外の建築物)
→都市計画区域内では建築確認が必要です。
【建築確認が必要な行為】
新築以外に、建物の増改築や移転、大規模修繕を行う際にも建築確認が必要です。
・100㎡超の特殊建築物
1:新築の際は全国どこでも建築確認が必要です。
2:増改築・移転の場合、原則として10㎡以下であれば建築確認は不要です。
※防火地域内・準防火地域内であれば10㎡以下であっても建築確認が必要ですので注意!
3:大規模修繕・模様替えの場合も建築確認が必要です。
4:用途変更の際にも建築確認が必要です。
・大規模建築物
上記1~3までの条件は100㎡超の特殊建築物と共通ですが、4の用途変更の際の建築確認が不要となります。
・一般建築物
1:都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区内(防火地域内・防火地域外)において新築の際は建築確認が必要です。
2:増改築・移転の際、防火地域外であれば、床面積の合計が10㎡以内であれば建築確認は不要ですが、防火地域内であれば10㎡以内であっても建築確認が必要です。
3:大規模修繕と用途変更の際の建築確認は不要です。
【建築確認の申請から受理までのポイント】
・建築確認が必要な場合には、建築主は、工事着手前にその建築計画が建築基準の規定に適合するものであることについて、建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければなりません。
(※この確認申請の際の、周辺住民の同意は不要です)
・建築確認の申請を受理した日から原則として「100㎡超の特殊建築物、大規模建築物は35日以内」に、一般建築物は「7日以内」に確認済証が交付されます。
・確認済証の交付を受けて工事に着手したあと、その建築物が確認を受けたとおりのものかどうかについての完了検査があります。
この検査で、ちゃんと建築基準法に適合した建築物なのか確認されます。
検査に通ると、検査済証が交付されます。
・建築主事への工事完了検査の申請は、工事が完了した日から4日以内に到達するようにしなければなりません。
・指定確認検査機関が完了検査の引受けを行ったときは、工事が完了した日または検査の引受けを行った日のいずれか遅い日から7日以内に、完了検査をしなければなりません。
【宅建試験での出題例】
問:鉄骨2階建て、高さ9m、延べ床面積130㎡の住宅を新築する場合、建築主事または指定確認検査機関の確認を受けなければならない。
答えは○です。
鉄骨2階建て(木造以外の建物)なので、2階建て以上に該当しているので建築確認が必要です。
建築確認の手続きの流れは、宅建試験問題の肢の中に出てくることがあります。
一連の流れをしっかりと理解しておいてください。
「誰がいつまでに申請をしなければならないか」や、「建築主事等が、申請を受理した日からいつまでに確認や検査をしなければならないか」など、ポイントを絞って暗記しておくようにしましょう。
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