宅建試験対策！　法令上の制限

【その他の法令上の制限】

その他の法令上の制限の分野からは、例年１～２問程度出題されています。
その中の１問は、前のページの「宅地造成等規制法（宅造法）」になっていて、残りの１問はこの「その他の法令」から出てくることがあります。

「誰に届け出るか」、「許可が必要なのか」がポイントとなりますので、それぞれに分けて解説します。

【届出が必要なもの】

・公有地の拡大の推進に関する法律

都市計画施設区域等にある土地を有する者が、その土地を有償で譲り渡そうとする場合、土地の所在や面積、譲渡予定価額等を「都道府県知事に」届け出る。

※国、地方公共団体等に譲り渡されるものであるとき、またはこれらの者が譲り渡すものであるときは、届け出る必要はありません。

・森林法

保安林及び保安施設地域内の森林を除いた地域森林計画の対象に該当する民有林の立木を伐採しようとする者は、あらかじめ伐採面積等を「市町村長に」届け出る。

※開発行為等については都道府県知事の許可が必要です。詳細は下へ。

【都道府県知事の許可が必要なもの】

・土砂災害警戒区域等での土砂災害防止対策の推進に関する法律

土砂災害特別警戒区域内で都市計画法の開発行為で当該開発行為をする土地区域内の予定建築物が、老人ホームや学校等の「制限用途」であるもの

・急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律

急傾斜面崩壊危険区域内で工作物の設置や改造、立木竹の伐採等をしようとする者

・地すべり等防止法

地すべり防止区域内で地下水の排除を阻害する行為や工作物の新築、改良といった行為をしようとする者

・大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法

土地区画整理促進区域内、住宅街区整備促進区域内で土地形質の変更、建築物の新築・改築・増築をしようとする者

※市の区域内では当該市の「市長の許可」となります。

・土地収用法

事業の認定の告示があった後、起業地において事業に明らかな支障を及ぼすような形質の変更をしようとする者

・都市再開発法

市街地再開発促進区域内で、主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これに類する構造であり、階数が2以下で地階を有さず、容易に移転し、または除却できる建築物を建築しようとする者

※市の区域内では当該市の「市長の許可」となります。

・森林法

地域森林計画の対象に該当する民有林について、1haを超える土地の形質変更を行おうとする者、または保安林および保安施設地域内において立木竹の伐採や家畜の放牧等の行為をしようとする者

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【都道府県知事以外の許可が必要なもの】

・自然公園法

国立公園または国定公園内の特別地域、特別保護地域内で工作物の新築・改築や土地の形状変更等の行為をしようとする者は、

国立公園の場合→環境大臣の許可を受ける。

国定公園の場合→都道府県知事の許可を受ける。

※国立公園または国定公園でも「普通地域内」においては、届出だけで足ります。

・河川法

河川区域や河川保全区域等の区域内で工作物の新築・改築・土地の形状変更等の行為をしようとする者は、「河川管理者の許可」を受ける。

・海岸法

海岸保全区域または一般公共海岸区域内で土石や砂の採取、土地の盛土、切土等の行為をしようとする者は、「海岸管理者の許可」を受ける。

・港湾法

港湾区域または港湾隣接区域内で当該区域内の水域または公共空地の占有、土砂の採取等をしようとする者は「港湾管理者の許可」を受ける。

・道路法

道路予定区域内で工作物の新築・改築・増築・大修繕・土地の形質変更等の行為をしようとする者は「道路管理者の許可」を受ける。

・文化財保護法

重要文化財の現状を変更する、またはその保全に影響を及ぼす行為等をしようとする者は、「文化庁長官の許可」を受ける。

【届出と許可の両方が必要なもの】

・都市緑地法

緑地保全地域内で建築物その他工作物の新築・改築・増築・土地の形質変更等の行為をしようとする者は、

①あらかじめ「都道府県知事に届け出て」、②特別緑地保全地域内の場合は「都道府県知事の許可を受ける」。

※市の区域内では当該市の市長の許可となります。

・景観法

景観計画区域内で開発行為や建築物の新築等の行為をしようとする者は、

①あらかじめ一定事項を「景観行政団体の長に届け出て、

②景観重要建造物の改築・増築や外観変更等の場合は「景観行政団体の長の許可」を受ける。

以上全17項目となりますが、出題傾向は決して高くありません。

丸暗記しようとするのではなく、「誰に届け出るのか、許可が必要なのか」を簡単に押さえておく程度で大丈夫です。