宅建試験対策! 法令上の制限
【開発行為の規制等】
開発行為とは、主に土地の造成工事を指します。
建物を建てるためには、土地の工事をして建築ができるように土地を造成しなければならない場所があります。
けれど、むやみに無秩序な開発がされてしまうとせっかくの都市計画の意味がなくなってしまいますね。
そこで都市計画法では、開発行為の規制をすることで、ちゃんと都市計画に合致した開発なのかどうかをチェックするようにしています。
開発行為は事前のチェックをする必要があるため、都道府県知事の許可制が採られています。
このことを開発許可といいます。
大きな市(政令指定都市・中核市・特例市)では市長が許可権者となりますが、一定の造成工事(開発行為)を行うには「知事の許可(開発許可)」が必要です。
もくじ
開発行為の定義
①建築物の建築のために行う土地の区画形質の変更
②特定工作物の建設のために行う土地の区画形質の変更
土地の区画形質変更の例
1:区画の変更(道路を新設して、区画を変更する)
2:形状の変更(斜面をひな壇状に変える)
3:性質の変更(農地や山林を宅地にする)
※注意!!
造成工事でも土地の「区画形質の変更」を行わないものは「開発行為には当たらない」ので、知事の許可を得る必要はありません。
土地の区画形質の変更をしても、建築物の建築・特定工作物の建設のためでなければ開発行為には当たりません。
例1:立体駐車場(建築物)を作るための土地の区画形質の変更→開発行為なので許可が必要
例2:青空駐車場(建築物ではない)を作るための土地の区画形質の変更→開発行為ではない
【特定工作物とは】
第一種特定工作物
「周辺の環境悪化をもたらす恐れのある工作物」を指します。
※例:コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラント等
第二種特定工作物
「大規模な工作物」を指します。
※例:ゴルフ場(面積は関係ない)、1ヘクタール以上の野球場、レジャー施設等
【開発許可の特例】
国の機関または都道府県が行う開発許可については、国または都道府県等と都道府県知事とのあいだに「協議」が成立すれば、開発許可があったものとみなされます。
【開発許可が不要な場合】
①小規模開発
小規模の大きさは区域によって異なりますが、市街化区域は1000㎡未満のものは許可不要としています。
※市街化調整区域は小規模であっても許可が必要です。
②農林漁業のための開発許可
農林漁業用の建築物であれば許可不要です。
農林漁業用の建築物とは、たとえば畜舎、温室、サイロなどをいいます。
また、農林漁業者の居住の用に供する建築物なども許可が不要な場合に含まれます。
ただし、市街化区域内では原則として許可が必要です。
(※1000㎡未満の場合は不要)
③公益目的の開発行為、軽微な開発行為
例1:図書館の建設→公益目的なので許可不要です。
例2:学校、医療施設、社会福祉施設→公益目的の開発には入らないので規模によっては許可が必要です。
【開発許可の手続】
①許可申請
・申請は書面(開発許可申請書)で行います。
・申請は所有権者でなくても可能ですが、地権者の相当数の同意が必要です。
・申請にあたり、あらかじめ「既存の公共施設の管理者」と協議し、その同意を得る必要があります。
↓
②審査
・知事等が調整区域内の開発を許可するには、「開発審査会の同意」を得る必要があります。
↓
③許可or不許可
↓
④(許可の場合)造成工事
・開発許可区域内では建物の建築等は制限されます。
↓
⑤工事完了
・工事が完了したら、知事等に届け出ます。
・知事は、工事内容が開発許可の内容に適合していると認められる場合、検査済証を交付し、工事完了を公告します。
・開発行為によって設置された公共施設は原則として市町村の帰属となり、管理も市町村が行います。
【開発区域内の建築制限】
開発行為の邪魔にならないように建築等が制限されます。
工事完了公告前(造成工事中)
↓
原則、建築等は禁止です。
※例外として建築が認められるものが以下3点です。
①工事用仮設建築物
②知事が支障ないと認めた建築物(知事の許可があるもの)
③開発行為に不同意の権利者が行う建築
工事完了公告後
↓
原則、予定建築物以外の建築行為は禁止です。
※例外として建築が認められるものが以下2点です。
①知事が支障ないと認めた建築物(知事の許可があるもの)
②用途地域に適合している建築物
【宅建試験での出題例】
問:市街化区域内の既に造成された宅地において、敷地面積が1500㎡の共同住宅を建築する場合は、当該宅地の区画形質の変更を行わないときでも、原則として開発許可を受けなければならない。
答えは×です。
土地の区画形質の変更を行わない=開発行為ではない=開発許可は不要です。
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けれど、宅建業法や権利関係などは例年、基本的な分野が多く出題されるため、しっかりと要点をしぼっておけば得点しやすい試験でもあります。
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