ここでは固定資産税について解説していきます。
宅建試験ではたまにしか出題されませんが、実際の不動産売買の業務では必須の知識です。
買主が購入する土地・建物に対していくらの固定資産税が掛かっているのか、売主と買主はいくら税金を負担すればいいのか、などを仲介業者が計算してお客様に提案します。
しっかりと内容を理解しておきましょう。
【固定資産税とは】
固定資産税とは、不動産を所有しているときに課税される税金で、所有している間は毎年課税されます。
課税主体は「都・市町村」となり、課税方法は「賦課課税(ふかかぜい)」となります。
もくじ
【固定資産税の概要】
・誰に支払うのか
→不動産所在地の「都・市町村」
・誰が支払うのか(納税義務者)
→賦課期日(1月1日)の所有者
※例:平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の固定資産税は、平成28年1月1日にその不動産を所有していた者に課税されます。
・課税標準
→不動産の価格(固定資産課税台帳登録価格)
・固定資産税の税率
→1.4%(標準)
・免税点(未満なら非課税)
→土地:30万円
家屋:20万円
※不動産取得税と比較すると、標準価格以外に違いがあります。この「違う部分」が引っ掛けとして出題されやすいので注意しましょう。
【固定資産税の課税標準の特例】
・住宅用地の課税標準の特例
①200㎡までは課税台帳価格の1/6が課税標準になります。
※具体例
登録価格6000万円、190㎡の住宅用地の固定資産税なら、1000万円(6000万円の1/6)×1.4%=14万円が毎年課税されるという計算になります。
②200㎡を超える部分は、課税台帳価格の1/3が課税標準になります。
※具体例
登録価格7200万円、300㎡の住宅用地の固定資産税なら、200㎡までは台帳価格の1/6が課税標準になるので、7200万円×200/300㎡×1/6=800万円
残り100㎡については1/3が課税標準なので、7200×100/300㎡×1/3=800万円
合計1600万円×1.4%=22万4千円が毎年課税される計算になります。
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・住宅用地の課税標準の特例早見表
※⑴住宅用地でその面積が200㎡以下であるもの ⑵住宅用地でその面積が200㎡を超えるもののうち、 1,当該住宅用地の面積を住居の数で除して得た面積が200㎡以下であるもの。 2,当該住宅用地の面積を住居の数で除して得た面積が200㎡を超えるものは、200㎡に当該住居の数を乗じて得た面積に相当する住宅用地 |
【宅建試験での出題例】
問:年の途中において、土地の売買があった場合には、当該土地に対して課税される固定資産税は、売主と買主でその所有の月数に応じて月割で納付しなければならない。
答えは×です。
1月1日現在の所有者が納税義務者となります。売主と買主それぞれが納付しなければならない義務はありません。
ただし、実際の不動産売買の実務では取引をしたタイミングによって固定資産税を月割りした額を買主が売主に支払うことが多いです。
その年の固定資産税の全額をいったん売主が納付しているため、不動産物件の引き渡しをしたあとの所有者(買主)と公平に折半するような仕組みになっています。
この点を混同しないように注意しましょう。
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