宅建試験対策! 宅建業法
クーリング・オフは、宅建試験で毎年出題されている重要な分野です。
要点をしっかりと押さえて、確実に得点へつなげていきましょう。
【クーリング・オフについて】
消費者の保護を目的とし、一定の条件に該当した場合には、買主が契約を解除することを認める制度がクーリング・オフです。
宅建業者でない買主が、正しい判断がしづらい場所で契約や申込みをしてしまったときに、あとからその契約を解除したり、申込みを撤回したりすることができます。
ちなみに手付金放棄による契約解除とは異なり、クーリング・オフが適用された場合には預り金を返してもらうことが出来ます。
以下の2点がポイントになります。
1:契約をしても、買主が「書面」により申し出れば、契約の解除ができる。
2:売主は損害賠償を請求できない上、預り金を返還しなければならない。
書面に関しての書式はとくに決められていないので、内容証明郵便などでOKです。
もくじ
【クーリング・オフができない場合】
1:宅建業者の事務所・案内所等で契約(買い受けの申し込み)をした場合
クーリング・オフできなくなる具体的な契約場所
• 事務所
• 「専任の取引士の設置義務がある」継続的に業務を行う事が出来る事務所以外の施設
• 土地に定着した一団の宅地建物の分譲を行う際の案内所やモデルルーム等
ポイントは、「どこで申し込みをしたか」です。
喫茶店で申し込みをして、事務所で契約した場合は、クーリング・オフの対象となります。
逆に事務所で申し込みをして、喫茶店で契約した場合は、クーリング・オフはできません。
申込み |
契約 |
クーリング・オフ |
事務所等 |
事務所等以外 |
できない |
事務所等以外 |
事務所等 |
できる |
2:買主が申し出て、「買主の自宅」または「買主の勤務先」で契約(買い受けの申し込み)をした場合
※2では買主が「自らの意思で」契約をしているとみなされ、クーリング・オフを認める必要はない、と判断されます。
もし、この場合にクーリング・オフを認めてしまったら、買主の気分次第で「昨日契約したけど、やっぱりやめます」という業者にとって迷惑極まりない事態が起こりかねないため、クーリング・オフは認めない、としているのです。
3:クーリング・オフについて宅建業者から「書面で告げられた日から起算して8日間」を経過したとき
※「告げられた日」を含めて8日以内がクーリング・オフできる期間となります。
4:宅地建物の引渡しを受け、かつ代金全額を支払った場合
以上4つのいずれかに該当する場合、クーリング・オフはできません。
【クーリング・オフの方法】
クーリング・オフは「書面」によって行い、その効力は「書面を発行したとき」に生じます。
買主保護の観点から、発信主義がとられています。
※相手方に届いたかどうかは関係ありません。
クーリング・オフは、無条件に契約を撤回・解除するものです。そのため、宅建業者は受領していた手付金などをすみやかに返還しなければなりません。
また、それにより損害賠償や違約金の支払いを請求することもできないとされています。
【宅建試験での出題例】
問:宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Cとの間で締結した宅地の売買契約について、Cは喫茶店において買受の申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられずに契約を締結した。
この場合、Cは、当該契約の締結をした日の10日後においては、契約の解除をする事ができない。
答えは×です。
10日後、という言葉があり紛らわしい問題ですが、業者がクーリング・オフについて何も告げていない以上、クーリング・オフできなくなる8日間の期間はスタートしません。
「宅建業者より書面で告げられた日から」カウントが開始されます。
よって、誤りです。
クーリング・オフのポイントは、契約の「申込み」をどこでしたのかによってクーリング・オフが適用になるかどうかが判断される点です。
また、クーリング・オフが適用されない4つの条件はよく宅建試験で出題されるので、しっかりと知識の定着をしておきましょう。
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