宅建試験対策!宅建業法
宅地建物取引士、いわゆる宅建士は、不動産の取引業務を行うにあたり必要とされる資格です。
なぜなら不動産売買や賃貸契約の際には、宅建士でなければできない独占業務があるからです。
では、その宅建士でなければできない業務とはいったいどんなものなのでしょうか。
今回はその独占業務について見ていきましょう。
宅建試験でも必ず出題される内容です。
【宅地建物取引士でなければできない仕事】
①重要事項の説明
②重要事項説明書への記名押印(35条書面)
③契約書等への記名押印
これら3つをふまえた上でなければ不動産取引の契約をしてはいけないため、契約を行う事務所や案内所には「成年者である取引士」を置きなさい、と定められています。
事務所であれば従業員5人に1人以上、案内所には1人以上とされています。
もくじ
【宅地建物取引士になるまでの流れ】
宅建試験に合格しただけでは、取引士としての仕事は出来ません。
試験合格を経て、取引士証の交付を受ける必要があります。
①試験合格
(1) 欠格事由に該当しない
(2) 2年以上の実務経験または国土交通大臣の「登録実務講習」の終了
以上2つをクリアしていると認められて初めて登録に進むことができます。
↓
②取引士登録
※登録は、受験地の都道府県に対して行います。
※交付申請6ヶ月前以内に行われる、知事が指定する講習(法定講習)を経て、交付へ進みます。
※試験合格後1年以内に取引士証の交付を受ける場合には法定講習が免除されます。
↓
③取引士証の交付
※取引士証の有効期限は5年間です。
更新する場合には、知事が指定する講習(法定講習)を受ける必要があります。
【宅地建物取引士資格登録簿】
取引士として登録すると、都道府県の取引士資格登録簿に「氏名・住所・本籍・宅建業者に勤めている場合は業者名と免許証番号」などが記載されます。
これらに変更があった場合は「遅滞なく」変更を届け出なければなりません。(変更の登録)
なお、登録は削除されない限り「一生有効」となります。
【返納・提出の義務】
返納
①登録が削除されたとき。
②取引士証が失効したとき。
③紛失したと思って再交付を受けた後に、紛失したはずの取引士証が出てきたとき。
提出
①事務禁止処分を受けたとき。
※事務の禁止期間満了後、提出者からの「返還請求があれば」、取引士証は返還されます。
【取引士の欠格事由】
取引士の欠格事由の約半分は宅建業者の欠格事由と共通しています。まず共通している欠格事由を見ていきましょう。
①成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ない者
②不正な手段で免許を取得・業務停止処分に違反・業務停止にあたり情状が特に重い。
(この3つのどれかに当てはまる理由で免許を取り消され、取り消しの日から5年を経過しない者)
③②の取り消しを受けたのが法人の場合、聴聞公示日前「60日以内」に役員だった者
④「かけこみ廃業」の届け出から5年を経過しない者
⑤かけこみ廃業した会社の聴聞公示日前60日以内に役員だった者
⑥禁錮以上の刑を受け、5年を経過しない者
⑦宅建業法・暴力的犯罪で罰金以上の刑を受け、5年を経過しない者
⑧暴力団の構成員や構成員でなくなった日から5年を経過しない者
【宅建業者では欠格事由となるが、取引士ではならないもの】
※以下に関してはひっかけ問題が多く予想されますので注意してください。
①免許申請前5年以内に宅建業に関し、不正または著しく不当な行為をした者
②宅建業に関し不誠実な行為をすることが明らかな者
③暴力団員等がその事業活動を支配する会社・または個人
④未成年者で代理人が欠格事由に該当する→そもそも婚姻していない「普通の未成年者」は取引士になれない。
⑤法人の役員が欠格事由に該当する。
⑥政令使用人が欠格事由に該当する。
⑦専任の取引士が足りない・免許申請書に虚偽の記載があった。
以上7つは「取引士」の欠格事由に該当しませんので、宅建業免許の欠格事由とのひっかけ問題に注意しましょう。
【宅建試験での出題例】
問:未成年者は、成人に達しないと取引士の登録を受けることができない。
答えは×です。
営業に関し、「成年者と同一の能力を有する未成年者」であれば、登録が可能です。
例:18歳だが婚姻している場合等。
宅建業者の「免許」と、取引士の「登録」は共通点もありますが、あくまでも「別の話」ですので注意して問題を読み解き、ひっかけ問題に十分注意しましょう。
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