宅建試験対策! 宅建業法
【宅建業者の免許とは】
宅建業を営むためには免許が必要です。都道府県知事または国土交通大臣に申請して、そのいずれかの免許を受けることになります。
都道府県知事または国土交通大臣のことを、免許権者(めんきょけんじゃ)といいます。
もくじ
【免許権者】
1:都道府県知事免許
主たる事務所(本店・本社)と、支店の全てが1つの都道府県内にある場合
例:本社、支店共に東京都内(1つの都道府県内)にある。
2:国土交通大臣免許
2つ以上の都道府県に事務所がある場合
例:東京都内に本店があり、神奈川県に支店がある。
この部分は宅建試験でよく出題されますので、確実に覚えておきましょう。
【免許の申請手続き】
宅建業者になろうとする者は、免許申請書に一定の書類を添付して免許権者に提出することで免許を受けられます。
都道府県知事の免許を受けるときは直接。
国土交通大臣の免許を受けるときは、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して、申請書を提出します。
(※宅建試験によく出ます!)
【免許を受けられない者(欠格事由)】
能力や信用に問題がある人に免許を与えないために設けられた基準を欠格事由といいます。
これは宅建業者としてふさわしくない人を宅建業界から排除するためのものです。
以下に該当すると、宅建業者の免許を受けることができません。
①成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
②禁錮以上の刑を受け、5年を経過しない者
※刑の執行が終わってから5年を経過すれば、「ただちに免許を受けられる」という意味です。
裁判で刑が確定した日から5年ではありませんので注意しましょう。
※執行猶予期間中は免許を受けられませんが、執行猶予期間を満了すれば「ただちに免許を受けられる」ことも頭に入れておきましょう。
例えば執行猶予3年であれば、3年間経過して執行猶予期間が満了した時点で免許を受けることができ、5年待つ必要はなくなります。
③
(1)不正な手段で免許を取得した事により免許を取り消された者
(2)業務停止処分に違反した事により免許を取り消された者
(3)業務停止にあたり情状が特に重い場合
以上3つの違反により免許を取り消された日から5年を経過しない者
④上記取り消しが会社の場合、聴聞公示日前60日以内に役員だった者
⑤駆け込み廃業の届け出から5年を経過しない者
※駆け込み廃業とは
免許停止の処分を受けそうになった際、「免許が取り消される前に廃業して、取り消しから逃げよう」とする行為のことをいいます。
⑥駆け込み廃業した会社の聴聞日前60日以内に役員だった者
⑦宅建業法違反・暴力的犯罪で罰金以上の刑を受け、5年を経過しない者
⑧免許申請前5年以内に宅建業に関し、不正または著しく不当な行為をした者
例:無免許営業を行っていた場合等がこれにあたり、免許を受けられません。
⑨宅建業に関し、不正または不誠実な行為をすることが明らかな者
例:過去に宅地、建物の取引に関し、詐欺や脅迫などで逮捕された者はこれにあたり、免許を受けられません。
⑩暴力団の構成員や、構成員でなくなった日から5年を経過しない者
⑪暴力団等がその事業活動を支配する会社(または個人)
⑫営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、法定代理人が①~⑩の欠格事由に該当する場合
⑬法人の役員が①~⑩の欠格事由に該当する場合
⑭政令で定める使用人が①~⑩の欠格事由に該当する場合
⑮専任の取引士が足りない・免許申請書に虚偽の記載があった場合
欠格事由が15項目あるので覚えるのが大変だと感じるかもしれませんが、基本的に「正しい判断力が無い人(未成年者や、加齢によって痴呆が進んでしまった高齢者)」、「過去に悪いことをした人・これからも悪いことをするであろう人」は免許を受けられない、ということが根本にあります。
法的に、というより「人として」どうあるべきかを考えながら読み進めていくとあっさり理解できると思います。
【未成年者でも宅建業を営むことが出来る場合】
①法定代理人が欠格事由に該当しない。
②法定代理人から営業許可を受けた場合。
③婚姻している場合。
以上3つのうち、いずれかの条件を満たしていれば成年者と同一の行為能力を有するとみなされ、未成年者であっても宅建業を営むことができます。
【刑罰のまとめ】
懲役・禁錮 |
犯罪名に関係なく5年間免許NG |
罰金 |
①暴力的な犯罪 |
拘留科料 |
犯罪名に関係なく免許OK |
執行猶予期間満了後はただちに免許OK |
控訴・上告中は免許OK |
【宅建試験での出題例】
問:A社の政令で定める使用人が、かつて不正な手段により免許を受けたとして当該免許を取り消された場合、その取り消しの日から5年を経過していない時、A社は免許を受けることが出来ない。
答えは○です。
欠格事由に関する出題は、宅建試験でほぼ毎年出題されています。
宅建業者の免許は長年出題されているため、問題にある程度の規則性があります。過去問を読み返して問題に慣れておけば高確率で得点できる分野と言えるでしょう。
ポイントは、「基本的に悪い人には免許を与えないけど、5年間反省したら許してあげる! でも極悪人にはやっぱり免許あげるわけにはいかないよ」です。
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