今回から、「法令上の制限」の分野に入ります。
ここでは都市計画法についてまとめています。
宅建試験における都市計画法では、例年2問は出題されているとても重要な項目です。
とくに「都市計画の内容」と「開発行為の規制等」に関しては、毎年ほぼ確実に出てきています。
開発行為の規制等については、「開発許可」のページで解説していきます。
【都市計画とは】
例えば、小学校の近くにパチンコ店や風俗店などがあったら教育上良くないですね。
そういった問題を回避し、住みよい街づくりのために行われるのが「都市計画」です。
「都市計画区域」(どこに街をつくるのか)を定め、そこからさらに細かな計画を進めていく、といった流れで区域内では計画的な街づくりを行います。
この地域内では「土地の利用も制限を受ける」ことになります。
都市計画区域は「原則として都道府県が指定」し、「行政区域(市町村の境目)と一致するとは限らない」という2点を覚えておきましょう。
【都市計画の決定手順】
・市町村が定める都市計画
①市町村が原案作成
↓
②原案を公告。公告の日から2週間縦覧に供する
↓
③市町村都市計画審議会の議を経る
↓
④「町村」は都道府県知事に協議し同意を得る
↓
⑤都市計画決定。公告のあった日から効力を生じる
・都道府県が定める都市計画
①都道府県が原案作成
↓
②関係市町村の意見を聞く
↓
③原案を公告。2週間縦覧に供する
↓
④都道府県都市計画審議会の議を経る
【準都市計画区域】
高速道路の近くやインターチェンジ付近に、なぜかパチンコ店やラブホテルなどが多いと感じた事はありませんか?
これは高速道路が都市計画区域外のへんぴな場所にあることが多いため、都市計画の制限を受けないから、という理由があるのです。けれどだからといって放っておくとラブホテルだらけになってしまいかねません。
このように都市計画区域外であっても、一定の規制が必要になる場合があります。
そこで「準都市計画区域」(都道府県が指定する)を定め、一定の規制ができるようになっています。
【区域区分】
都市計画区域内は「市街化区域」と「市街化調整区域」にわけられます。
これを区域区分といい、市街化区域は街として発展させていく地区ですが、市街化調整区域とは市街化を抑制する区域ですので、建物を建築することが認められません。
区域区分が行われない都市計画区域もあり、これを「区域区分の定められていない都市計画区域」(非線引き区域)といいます。
【用途地域】
住宅街と商工業地域はきちんと分けたほうが、より住みよい街になりますね。
そのためには市街化区域内をさらに細かく分けていくことになります。
これを「用途地域」といい、その地域を住宅用にするのか、商業地域にするのかといった用途を決めていきます。
用途地域は「市町村が決定」し、「市街化区域内には、用途地域を必ず定める」必要があります。
用途地域は全部で12種類あります。
【用途地域について】のページで詳しく解説していますので、ぜひ目を通してみてください。
【宅建試験での出題例】
問:市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき地区であり、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。
答えは○です。
都市計画法では覚える事が沢山ありますが、全てを覚えようとしないことがポイントになります。
ひたすら過去問を読み返しながら、よく出てくる出題傾向をとらえて覚えていくと勉強が少し楽になるでしょう。
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