宅建試験対策! 宅建業法
【住宅瑕疵担保履行法について】
ときどきテレビや新聞、ネットニュースなどで耐震偽装問題が報道されていますね。
せっかく購入した新築マンションが耐震偽造されていたと判明した場合、もし瑕疵担保責任を負うべき分譲業者が倒産していたら、いったいだれが責任を取るのかという問題が浮上してきます。
そこで新築住宅購入者の保護を目的として制定されたのが、「住宅瑕疵担保履行法」です。
新築住宅の売主である宅建業者は、瑕疵担保責任を履行できるようにするための資力確保の措置として、「住宅販売瑕疵担保保証金の供託」または「住宅販売瑕疵担保責任保険への加入」のいずれかが義務付けられています。
つまり、「確実に瑕疵担保責任を履行してくださいね」という法律なのです。
もくじ
[対象者]
・宅建業者、建設業者、信託会社等で「宅建業を営むもの」
[対象物]
・新築住宅
※建設完了から1年を経過していないこと、住居者がいないこと、という2つの条件を満たしている必要があります。
[対象となる取引]
・宅建業者が自ら売主となり、宅建業者以外の者が買主となる取引のみ適用されます。
※賃借の媒介は対象外です。
【瑕疵担保責任の措置】
宅建業者は、下記2つのうち、いずれかを行う必要があります。
1:保証金の供託
過去10年間の新築住宅の供給戸数に応じて算出した額を、供託所に保証金として供託し、供託したらその旨の届出を「免許権者」に対して行います。
※届出を怠った場合・不適正または虚偽の届出をした場合 →指示処分
届け出の時期は、基準日となる「毎年3月31日と9月30日から3週間以内」に行います。
届出がない場合、基準日の翌日から起算して50日を経過した日以降、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約をすることができなくなります。
2:保険契約
「国土交通大臣が指定した保険法人」保険契約を締結します。
基準日(3月31日と9月30日)までに保険契約を行いますが、「申込みは工事開始時まで」に済ませておく必要があります。
供託の場合と同様、その旨を免許権者に届出る必要があります。
※取得する新築住宅が、供託、保険どちらの資力措置が取られるのかを35条重要事項説明、37条書面に基づく書面の交付により、契約成立前に買主に説明する必要があります。
上記の措置を行わない場合や住宅販売瑕疵担保保証金の供託に関する説明を行わなかった場合には、指示処分または業務停止処分の対象となります。
指示処分に従わない場合は業務停止処分に発展します。
業務停止処分事由に該当し、情状が特に重いまたは業務停止処分に違反した場合は免許取消処分に発展します。
【住宅瑕疵担保責任を負う期間】
・買主に引渡した時から10年
品確法に基づき、住宅の構造耐力上主要な部分(基礎・土台・床・屋根・柱・雨水排水菅等)の隠れた瑕疵について、瑕疵担保責任を負います。
これに反する特約で買主に不利なものは無効です。
※20年まで伸ばす事は可能ですが、10年より短くするといった特約は無効です。
【瑕疵担保責任の内容】
・宅建業者による売買契約の場合、「隠れた瑕疵のみ」無過失責任となり、買主が住宅の構造耐力上主要な部分に隠れた瑕疵を見つけた場合は「損害賠償請求、契約解除、瑕疵修復請求」をすることができます。
つまり買主は、損害賠償を請求することができ、契約をした目的を達することができないときは売買契約を解除することができます。
また民法では認められていない瑕疵修補の請求もすることができます。
【宅建試験での出題例】
問:自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日ごとに当該基準日に係る資力確保措置の状況について、その免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に届けでなければならない。
答えは○です。
平成21年10月1日より、住宅瑕疵担保履行法による資力確保措置が取られるようになったため、平成22年以降の過去問を参考にしてください。
過去問で出題傾向を把握しておけば、そこまで難易度の高い分野ではありません。
くり返し過去問をこなしていきましょう!
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